窪田 剛介(高知市)

 「継続は力なり」と申しますが、本会報も回を重ねて200号に到達した事は、誠に意義深く目出度い限りです。同時に、かつて及ばずながらも会報の編集に携わった人間としては、一入感慨深い思いを強くする次第です。
 ところで、私事で恐縮ですが、昭和62年から平成16年まで電友会執行部の一員として過した十七年間は、老生にとって現役時代の三十八年間に負けずとも劣らぬ記憶財産となっていることは間違いありません。 とりわけ平成10年から16年までの六年間、当時の岡林副会長と交互に本会報の編集責任者をつとめたことは、忘れ得ぬ思い出となっております。
 思うに、本会報が200号を迎えたという事は年四回発行として、半世紀にわたりOB達の心の糧として、その役割を果して来たことになり、高知電友会の基幹事業として、永遠に引き継がれ、さらに充実されることを祈るばかりです
 さて、老生の手元に、110頁に及ぶ一冊の小冊子が保存されています。表題には「私達の小さな歴史―半生の記」とあり、発行所は「高知県電電退職者の会」となっております。
 注目すべきは、発行日付が平成7年となっており、つまりこれは、当時の高知県電電退職者の会(現高知電友会)が、戦後五十年を念頭に会員の皆さんから貴重な体験記を募り収録したものです。今回改めて読み直してみると、戦中戦後 の極めて困難な時代を懸命に生きてきた人達の迫真のドキュメンタリーであることを再認識しました。そして、発行から二十年も経ると、当行の多くは、既に故人になられていることを考え併せると歳月の流れを痛感する老生です。
 因みに、本冊子を発行した平成7年7月1日号の会報は120号となっており、それから更に80回の発行を重ね、200号に達したわけで、これまた感慨無量なものがあります。
 それにしても、今年は戦後七十年と称して世間が騒いでおります。前述の小冊子「私達の小さな歴史」は、戦後五十年にあたる、平成7年に刊行したもので、二十年の歳月を経た今日、老生の脳裏には、鮮烈に蘇ってきました。
 そこには、戦中戦後を命懸けで駆け抜けてきたOB達のドキュメントが満載されており、是非大勢の仲間達に読んで貰いたい気がしてなりません。出来れば、執行部のご配慮をお願いしたいものです。
 最後に、200号という記念すべき会報に、老生の拙文を掲載する機会を与えて下さった編集責任者に感謝すると同時に、電友会及びその母体であるNTTグループの一層の発展を祈念して筆を置きます。