民謡とハーモニカによる慰問活動
ディサービスのご老人に一足早い歳末プレゼント
                          ボランティアNTT高知OB会 大野文平記 

 今冬最初の寒波に襲われた12月3日午後、民踊サークルすみれ会メンバーとハーモニカ奏者東伸行さんが 『在宅介護センターわかくさ』(高知市若草南町)を訪れて、適所利用のご老人に暖かい時間をプレゼントしました。
 介護士さんに手を引かれながらゆっくり歩いて、また車椅子に座って押してもらいながら広間に集まったご老人は40名。初めは緊張した面持ちの皆さんでしたが、小気味よいリズムを響かせながら 「かりゆし太鼓」「上州太鼓節」の蹄りが始まると、表情を緩め手拍子も打って楽しんでくれました。
 続いて登場したのは、この日の演奏のために8本のハーモニカを準備した東さん。曲に合わせて使い分けます。「荒城の月」のメロディーが奏でられると、何人かの口元が動いて歌声が聞こえて釆ます。そして「里の秋」が流れるとたくさんの方の歌声が重なり、斉唱と言ったところです。「もみじ」「赤とんぽ」「お正月」 と進むにつれ、歌詞カードのページを教え合い、顔をほころばせて歌います。
 ハーモニカ3本を重ねて「寒い朝」を演奏すると、往年の銀幕スターをうっとりした表情で思い出しながら、美しいハミングが会場に響きました。毎年地元(横浜新町)の敬老会でもハーモニカ演奏を披露する東さん、さすがにご高齢者のハートを上手に掴みます。
 「浜辺の歌」は歌詞カードに載っていませんでしたが、演奏冒頭から大きな歌声が流れ、最後の曲となった「ふるさと」も、大きく口を開き手でリズムをとって、また日をつむり思い出を噛みしめるような大合唱となりました。 
 替わって民踊サークルの浜田陽子さんがソロで日本舞踊「日向灘」を凛々しく踊ると、うっとり見とれます。
 そしてトリの演目はいつもお楽しみの 「炭坑節」。炭坑節だけでなく色々な曲をメドレーで演奏する「どんどん民謡」という楽しいテープ曲に合わせて踊り出すと、車椅子から立ち上がらんばかりに手振り足踏みして一緒に体を動かします。職員さんも加わってくださり、賑やかな踊りの輪ができました。
 通所利用者の中に電友会員さんも居られましたが、気が付かなかった後輩に会員さんから声をかけて下さり、近況を話したり昔話に花を咲かせたりの場面もあり、今年も有意義な慰問になりました。