随想
   ひとりごと   242号  畠中 大輔
 

介護の三原則(母親の介護)と野良猫問題 

 退職して2年が過ぎ、理想と現実のギャップを痛感している昨今です。
 ところで皆さん。
 介護の三原則はご存知でしょうか?
 「生活の継続性」「自己決定の尊重」「残存能力の活用」の3つです。
 〇生活の継続性
  できる限り、住み慣れた環境や生活リズムを保ち、それまでの暮らしを続けられるように支援すること。
 〇自己決定の尊重
  衣類や食事など、暮らし方や生き方に関するあらゆることについて、自分で決定できるように支援し、その選択を尊重すること。
 〇残存能力の活用   本人が自らできることは、手伝い過ぎず、本人の能力を最大限に活かしてもらうこと。
 現在、私には一人暮らしをしている88歳の母親がいます。
 1年ほど前に、体調を崩し二ケ月ほど一人では歩けない状況でしたがリハビリ等の効果と本人の努力もあり、なんとか杖をついてではありますが歩ける状態まで回復しました。
 本人の希望で施設には入らず買い物等は私と弟が届けており、できる限り「介護の3原則」を参考に、安易に「こうすべき」と決めつけず母親の意思を一番に考えてやっています。
   しかし、いろいろと問題もでてきます。
 そのひとつが野良猫問題です。
 数年前にメスの子猫が家の近くに迷い込んできて母親が可哀そうだからと餌をやり続けていましたが他の野良猫も居座って8匹以上に増えていました。
 母親には何度か餌やりを止めるよう説得していましたが聞く耳を持たず、さらに今年の夏に子猫が5匹生まれ、さすがに母親も困った様子でした。
 考えてみれば一人暮らしで寂しさもあり、生意気な息子たちよりも猫の方が文句も言わず可愛いと思いますが、早急に対処しなければならない状況になってしまいました。
 まず地元の市役所に相談したり、地域猫活動セミナーにも参加し解決方法を探りました。
 幸運にも野良猫を管理する地域活動のボランティアの方が見つかり、子猫の保護と他の猫は不妊・去勢手術等を実行し、これ以上猫が増えることがないように対応していただきました。
 これは全国的に行われているTNR活動で、捕獲(Trap)、不妊・去勢手術(Neuter)、元の場所に戻す(Return)というものです。
 結果、母親からは感謝どころか猫が可哀そうだと皮肉を言われましたが、こんなことまで対応しないといけない私の方が可哀そうだと、もう少しで言いそうになるのをこらえ、朝・夕に猫に餌をやるのが元気の源と言う母親の健康と長寿を心から願う毎日です。