随想
         
黒岩靖夫
(香南市)
 
(170号掲載)  私は現在、香南市文化財保護審議会委員を委嘱され香南市内各地の神社や寺そして城跡、旧家や仏像や絵画等を見学し見聞を広めさせて頂いています。
 最近は香南市香我美町の県指定無形文化財、徳王子の若一王子宮「獅子舞」と山北の浅上王子宮「棒踊り」を秋祭りの日に見学しました。
 真剣に舞い、踊る姿に感動しました。
11月8日の若一王子宮のお旅所への「おなばれ」はお神輿・太鼓等全て自動車に乗せられて行動七ました。昔は神官が馬に乗っての行列であったとのことです。
 一方浅上王子宮はお神輿を担いだ若者を先頭に昔ながらの練り歩きを体験しました。
 それぞれの祭りの裏方としての総代・当家は本業そっちのけで祭りの前後五日間は準備等にかかりっきりとのことで、伝承行事を今に伝える難しさの苦労話も耳にしました。
 農村部のなかで伝統を守り育てることは想像以上に難しい局面を迎えている(山北棒踊り保存会冊子)とあり、少子高齢化と過疎化で悩む姿が垣間見えます。
 「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」といわれますが、一人の高齢者が亡くなるとひとつの図書館がなくなるのと同じくらいの知恵が失われるといわれます。
 貴重な無形文化財が伝授継承されていくことが、地域活性化の原点であると思います。
 私どもの撮影した写真やビデオが将来文化財となることのないように人間の「わざ」伝承者の育成を願いながら秋祭りを楽しみました。