NTTプラザは、此の3月末をもって、松山、高松、高知共々同時に閉鎖された。既に先年閉鎖された徳島を含め四国からは全てのNTTプラザが、その姿を消した。
思い返せば、その昔「電信電話会館」として発足し、30年もの長きにわたり現役、OBそして部外者を問わず、大勢の人達が利用し、親しんできたものだった。誠に、感慨無量としか言いようがなく、名残は尽きない。
近年、NTTをめぐる経営環境は、その厳しさを増す一方で、我々が、長年親しみ馴染んできた関連施設や組織、行事などが次々と切り捨てられ、その姿を消していった。
なかでも、電電四国(硬式野球部)、各県のテルウェル営業所、番町会館(旧勝山荘)、電電記念日のOB招宴廃止等は、我々にとってはかなりのショックで、寂しい思いを味わったものだった。
だが、今回のプラザ廃止は、寂しいというより、もっと深刻な現実を痛感させられた。
実は、昨年当初から噂は聞いていたが「まさか」という思いが強く、噂だけに終って欲しいと願っていただけに残念極まりない。
もとより、そこに至る迄の詳細な経緯と事情については、当時者以外の知る由もない。やはり、NTT本来の事業と直接関わりのない組織や行事は、削除せざるを得ない程経営事情が逼追している、と理解する外ない。
そもそも、プラザは電信電話会館として発足以来、宿泊、会議、宴会、娯楽等々多彩な機能を備え、我々OB仲聞の絆(きずな)を深める絶好の拠点となっていた。従って、事ある毎に此の場所に集い、我が家の如く気楽に振舞い、仲間同志で大いに友情を暖め合ったものだった。だが、それも既に過去の思い出となってしまった。
いま、世間は長引く不況から抜け出せず、閉塞感が充満している。世知辛い話しが多いなかで、人々は時としていわゆる「古き良き時代」を懐かしむ。我々OB仲聞も、話しが現役時代にタイムスリップすると、その例に洩れない。そして、最近迄は、NTTが実施してきた多種多様で、手厚いOB対策の恩恵に浴してきた事も事実だろう。だが、ここへ来てどうやらそんな甘い認識も、改めなければならない時機が来たようである。
NTTプラザは、もう存在しない。あれ程常に賑わいを見せ、ここを訪れる度に、我OBを暖かく包み、気持を和ませてくれたプラザは、もはや過去の夢となってしまった。今となっては、多くの思い出を残してくれたプラザに「有り難う
! さらばプラザよ」の言葉を贈り、別れを告げるしか術はない。そして、プラザで培った友情や様々な思い出は、我々の記憶から永遠に消え去ることはないだろう。
最後に、長年にわたって、我々OBに暖かく接して頂き、何かとお世話になったプラザ関係者の人達に、心から感謝の意を捧げてこの稿を終りとしたい。
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