お酒は薬以上に健康のためになるという意味ですが、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させたり、血小板の凝集を抑制したり、線溶系を亢進させることで血液をサラサラにしたり、などの効果がお酒から得られることがわかっています。
良いことも多いようですが、問題は、「適量であれば」の但し書きがつくことです。
過剰飲酒は、高血圧、脂質異常症、肥満、糖尿病、痛風などの生活習慣病のリスクを高めますし、肝臓・すい臓・食堂・胃などのほぼ全身の臓器にがん発症率を上昇させるなどの悪影響を及ぼすことも知られています。
適正な量を守ることは、お酒と付き合うに当たって最も重要なことだといえるでしょう。
適正か過剰かの判断は、アルコール量で行ないます。
アルコール量とは、お酒に含まれるアルコール分の重さ(g)のこと。
体内に吸収されたアルコールは、肝臓で分解されて、最終的にはエネルギーや脂肪になりますが、アルコール量が多いほど、肝臓が処理するのに時間がかかります。
個人差はありますが、体重60sの人が20gのアルコールを処理するのには、約3時間かかるといわれています。
厚労省は、アルコール量20g程度までを適正飲酒、60g程度以上を過剰飲酒と定義づけています。
もちろんアルコールが飲めない人は無理に適量を摂取する必要はありません。
アルコール度数5度(5%)のビール500?なら、500×0.05×0.8=20ということでアルコール量は20gとなります。 つまりビールの適量は500?ということになりますね。
アルコール度数が高いほどアルコール量は多くなりますが、アルコール度数の低いものでも多量に飲めば体内に入るアルコール量はそれだけ多くなりますので、気をつけるべきなのは度数ではなく摂取するアルコール量ということになります。
お酒と末永く付き合っていくには、適量を知っておくことがまずは大切ですね。
【出典】
高松メディカルクリニック発行
メディカル通信VOL23(2018.5)
より
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