[寄稿]
龍馬と晋作
植田 英(いの町)   238号
 2後期高齢者になると身辺整理を考えるようになり、まず読まなくなった龍馬関連の本の整理にとりかかりました。
 本を整理しながら、改めて龍馬という人物は変わった生き方というか考えを持って幕末の世を駆け抜けたんだなんて思います。
 そんな龍馬と同じように幕末を駆け抜けた人物が長州にいました。
 龍馬の親友で、名を高杉晋作といい、「おもしろきことなき世を おもしろく」という辞世の句を残しています。
 龍馬は三十三歳で暗殺され、晋作は肺結核で二十九歳で亡くなり、二人共若くしてこの世を去ります。
 龍馬は身分の差が無い社会を作りたい、ということで薩長同盟や大政奉還などの大事業を成しえました。
 一方の晋作は、民衆を巻き込んだ軍隊奇兵隊を創り、長州征伐の幕府軍を撃退しました。
 二人に共通して言えることは、良き師匠と出会ったことです。
 龍馬は幕府の勝軍艦並奉行を斬りに行って、勝から世界の話、船の話、身分の話などを聞かされ、共鳴しその場で弟子入りします。
 一方、晋作は久坂玄瑞に連れられて吉田松陰と会い、後日弟子入りして大いに可愛がられます。
 面白いのはスタイルです。
 龍馬は髪はぼさぼさ、袴はよれよれで人の目を気にしません。
 晋作もざんぎり頭でちょんまげは無し、着物は流しのスタイルで懐に短銃を忍ばせるなど二人とも当時の人間から見れば変人です。
 龍馬は、「世の人は何ともいえば云え 我がなすこと 我のみぞ知る」、と、自分の考えることやろうとしていることを、他人にわかってもらえない苦しい胸の内を言葉にしています。
 龍馬の本を整理中に出会った晋作の「おもしろきことなき世を おもしろく」の辞世の句の意味を考えてみました。
 この句は完成しておらず、後半の部分は他人が付け足しておりますのでここでは無視します。
 晋作は病床で後世に残さなくてはならない重要なことを思いついたのです。
 辞世の句にすれば伝わるだろう、と、できた句が「おもしろきことなき世を おもしろく」句の前半の部分です。
 意味はおもしろくない世の中を、おもしろいと感じられるかどうかは自分の心の持ち方ひとつだと、要は心の持ち方次第でどうにでも変われるということを伝えたかったのです。
 私は早速やってみました。
 心の持ち方ひとつで、こんなに世の中が変わるのかと驚きです。
 そんなバカな、今さら変える必要などない、などと頭から否定せずに、おもしろがってやってみてください。
 「おもしろいから笑うのではなく、笑うからおもしろいのです。」