原始的な漁法で鰻丼 
                        193号 明坂 義香(高知市) 

 今年は殊のほか暑い日が続き、後期高齢者にとっては厳しい毎日でした。
 この暑さを乗り切る方法として、古くからスタミナ料理として土用の丑の日に鰻を食する習慣がある。近年では養殖用のシラス鰻が激減し、庶民には手の届かない高級料理となってしまった。
 先日も新聞で、四万十川での石ぐろ漁が写真入りで紹介されていたが、私もすぐ近くの小川で石ぐろ漁をしている。
 石ぐろとは、川原にある石(くり石位のもの)を集めて幅1m、高さ50〜70cmに積み上げ、言ってみれば人口のアパートを作って、それに住みついた奴を鰻鋏(うばし)で仕留める方法だ。 最近は土木工事のコンクリ工法で、住家となる自然の穴(ねぐら)が無くなり、石ぐろに入るわけだ。
 川が小さいのでその付近に居る鰻が年間1〜2匹捕れれば良いほうで、先日の丑の日にはやっと家族4人が鰻丼を賞味することができた。
 天然物がなかなか手に入らない昨今この方法を楽しみながら、この暑さも乗り切りたいものです。