『菊の森』で丹精込めて花作り

178号 (レポート三本栄子)

 「菊の森」で花作りボランティアをしている金子頼章さん(高知市)と明坂義香さん(高知市)をご紹介します。
「菊の森」は、地元の鉢植菊愛好者の皆さんが、以前から高知市内で展示即売会を開いていましたが、平成九年から高知市春野町西分の町所有の広大な敷地を、借用することができた事から、本格的な「菊の森・菊まつり」に取り組み、毎年開催しています。
 期間は11月1日〜11月9日まで「菊花展」展示即売会が行われます。
 「菊の森」全体の花は、11月23日過ぎまで楽しめます。
 この素晴しい「菊の森」を維持管理するには、多くの経費と人的労力が必要です。
 会長始め30名のボランティアの皆さんの、弛まぬ努力と献身的奉仕の精神により、年々見事な風景となっています。
 金子頼章さん・明坂義香さんは春野町在住でもあり、発足当初からのメンバーとして、中心的な役割を果たしながら、我が町の発展のため、地域の皆さんと共にいい汗を流しておられます。
 菊の花の期間は、約一ヶ月と僅かですが、花に至るまでの長い日々を、皆さんで支えあいながら開花を待ちます。
 その節目節目の仕事内容は、花が終わるとすぐに撤去します。
 重機で土を掘り起こし、消毒(農薬をかけビニールで覆い、密閉して一ヶ月以上置く)。その後肥料・改良剤を入れねかせます。
 二月、愛好者の家庭で苗作りを始める。
 四月、畝作り、骨組みを作る。
 五月、愛好者宅より現地へ移植する。 三日に一度の水遣りに三〜四時間かかります。
 勇定作業は、女性ボランティアさんの出番です。
 消毒作業は、一週間に一度は必ず行います。 
 ほか、細かい作業は沢山あります。
 会長の長崎さんは、昔から菊作りの名人と言われ、副会長の上田さんは、冠婚葬祭用の菊作りが職業で、二人のリーダーが菊作りの専門家ゆえ、「菊の森」は本格的な菊園となっています。
 ボランティアの皆さんも、リーダーが良い人だから、「菊作り」の勉強にもなるし、、、続けられると話されました。
 金子頼章さんは、他にも神社総代、ミニディサービス、いきいき百歳体操、NTTOBの介護サービス、等々のお世話役をされています。
 毎日ボランティア優先で、趣味の釣りもご無沙汰とか、気分転換をしながら、ご自身の健康のため、地域の為に活躍をしていただきたいと思います。
 明坂義香さんも、趣味の植木の勇定と囲碁、俳句等、頭の体操にも取り組んでおり、お二人とも生き生きと輝いていました。
 お二人にとって、来場者が気高い菊の香に包まれ、笑顔で感嘆してくれる時が何よりうれしい瞬間です。
 またボランティアをしながら地域への貢献もでき、人々との交流が何よりも得がたい財産となり、地域へしっかりと根を下ろし、人生を楽しく過ごしたい…と、穏やかに話してくれました。
 ユーモアセンスと豊かな慈愛を持った、ボランティアの皆さんが、優しく菊に語りかけながら育てた花々は、多くの人々に感動と癒しを与え続けることだと思いました。

今年の準備中の様子(左 金子さん・右 明坂さん)
昨年の会場風景

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