「マジックでボランティア、西へ東へ」

187号 井森 和(四万十市) 

 今回は、退職後に始めたマジックとハーモニカ等多彩な芸でボランティア活動をしている四万十市の井森和さん(66才)を紹介します。
 マジックとハーモニカは、高知市の教室へ何年も通い技を磨いたそうです。また、彼は生来のお笑い好きで、おもにラジオ放送の漫才や落語からネタを拝借し、ご自分独特の語り口に乗せて観客の皆さんに笑いを届けているそうです。
 演じる場所は主に年配者の集まりだそうですが、地元四万十市ばかりではなく、西は宿毛市、南は土佐清水市、東は黒潮町・四万十町まで声がかかれば時間が許す限りどこへでも駆けつけているそうです。
 ご本人は「マジックもハーモニカも漫談も技量的には大したことはないが、観客の皆さんに楽しんでいただきたい、大いに笑っていただきたいという思いで一生懸命演じているだけ。」と謙遜していますが、「演じる時間は1時間から1時間半位だが、その中でハーモニカの、昔懐かしい曲を聴いて喜んでいただいたり、漫談を聴いて何年かぶりに大笑いしたといった感想を言っていただくと、この会場に来て本当に良かったとしみじみ思います。」と語ります。
 また、会場の皆さんと一緒にできる簡単なマジックもあり、お客さんにとってみれば観るだけでなく、自分も演じることで楽しさが増すという効果が会場にできることを実感するそうです。
 井森さんのボランティアはこれ以外にも、子供さんたちへの「よみきかせ」グループの一員として、幼稚園・小学校・中学校へ早朝から出かけて行って本を読む活動をしています。
 また地元のちんどんクラブ「幡多ちんどん」にも参加しており、これまたボランティアで得意の「南京玉すだれ」と「お笑いの口上」をちんどんクラブの一員として演じて好評を得ているそうです。
 さらに謡曲もたしなむ井森さんは、地域の結婚式や節句・新築祝い・還暦などのお祝いの席での「式三番」を披露することも度々だそうです。
 しかし、最近は結婚式での出番はとても少なくなってしまったということで、世相の変化を感じているようです。
 地元地区の老人クラブの会長をつとめ、缶ひろいや草刈り作業の際のお世話もしています。
 NTT高知西南地区OB会の副会長でもあり、忙しい毎日を過ごしているそうですが、健康面ではどうですかとの質問には、「境界型の糖尿と前立腺肥大があるけれど、あまり気にしていない。」とのことですが、運動することには心がけ、歩いたり、卓球教室へ通ったりしているようで、今一番の悩みは「お酒がおいしすぎる」ことだそうです。
 私が井森さんを知った20数年前には、飲み会で皿踊りを披轟して喝采を浴びておりましたが、これほどまでに芸を磨いていたとは本当にびっくり仰天しました。
 この分では、幡多路のあちこちの集まりで、井森さんのマジックなどお楽しみの披露に、お客さんの笑い声が絶えることばないでしょう。
 今年の電友会の忘年会には是非出席いただきプロ級の芸を披露していただきたいものです。
                                   (取材 足達裕昭)

トピックス 187号掲載