ゴルフ練習場で地域と繋がる「嶋やん」

188号 嶋岡徳さん(いの町) 
(取材 黒岩靖夫) 

 今回は吾川郡いの町大内、県立消防学校や蘇鶴温泉の近く、のどかな田園風景が広がる場所でゴルフ練習場「SIMA GOLF CENTER」を経営する嶋岡徳(やすし)さん(77歳)通称「嶋やん」を紹介します。
 NTT時代の経歴をと質問すると「オラァNTTにゃおらざったぞ」と電電公社の現役時代そのままのギャグで返す、朗らかで誰にも愛されていた当時そのままでした。
 訪問日はまさに風薫る5月6日で行く道中には五月晴れの空には鯉のぼりがあちらこちらに泳ぎ、途中の仁淀川には昨日まで川の中を不織布の鯉のぼりが泳いていたとのことでした。
◇電電公社時代の経歴
 昭和26年梼原郵便局・佐川電報電話局・高知電話局・高知通信部・窪川電報電話局・四国通信局・高知と通信部.安ん芸電報電話勤務を最後に昭和58年4月退職し33年間の電電公社生活に幕をおろしました。
 いまでも当時を懐かしく思い出すとのことでした。
 私の知っている「嶋やん」はこの愛称のとおり皆さんから親しまれて、ある時は仕事人問として、またある時は労働組合の闘士としての姿が思い浮かびます。
◇ゴルフ練習場開設の動機
退職直後から、さて次は何をするかと考えた末に「二言(ふたこと)言うたら生活が出来る商売は何か」と問い続け、そこで考え抜き思いついたのが「いらっしゃいませ!ありがとうございました!」の、ふたことで商売が出来るゴルフ練習場に出会ったとのことでした。
昭和58年9月21日オープン、そして今日まで30年間「年中無休」で頑張っています。
 その間には日本ゴルフ財団認定ティーテングインストラクター資格も取得し来場者の希望があれば指導もしています。
◇一番力を入れていること
「地域やお客様との絆」「ゴルフを通じて日常生活の触れ合い」をモットーにやっているとのことでした。
 私が一時間ほど取材に訪れた間にも沢山のお客様が三々五々訪れて、嶋やんの「みんな親戚や友達のようなもの」の言葉どおり「元気かよ」「ぼちぼちよ」のザックバランな会話の中に表れていました。
 町内会等地域での活動は日々のお客様との会話であることを体感しました。
 またオープンドアの外から道行く姉さんかぶりの70歳代のお姉さんも気軽に声をかけていくのも、まさに地域と一体となった嶋やんの人徳であると感じました。
◇毎日のライフサイクル
 毎朝7時30分起床して佐川町の自宅から奥さんと一緒に伊野町に来て午前9時から午後8時30分まで営業し、閉店後は翌日の準備でボ−ル集めや座席の清掃等を行い午後10時作業終了し帰宅するが、年中無休も苦にならないとのことである。
 まだまだ青年部である。
 家族を含め今後の目標願いはやはり健康管理で、ご自身は8年前より気功を週一回習っているとのことであった。
◇電友会への期待・要望
 会報の来るのを楽しみにしている。そして昔の上司・同僚・部下の記事を読み当時の顔や出来ごと等、色々と楽しい想い出を走馬灯のように巡らせているとのことでした。
◇「嶋やん語録」
 「相変わらずケンカ相手は女房」「向こうからお迎えが来たらいつでも行きまっせ」「あの世でも経営したい」「孫のサッカー応援が唯一の楽しみ。これに尽きる」と言い、今までの一番の楽しみであり百薬の長であった酒を断ち、1食抜いてもかまんばあの7種類の薬を抱えて医者通い、言葉とは裏腹にやっぱりまだ命は惜しいらしい。(笑)。
 私も部下として仕えた3年問を思い出しながら、口の元気さは昔と変わっていないことを確認して今日の天気のようにさわやかな気持ちで帰途につきました。 

トピックス 188号掲載