地域とともに歩んで
松岡 義夫(四万十市) 
(取材 高橋慶子) 

 今回は、四万十市で地元地区の活性化に頑張っている松岡義夫さんを紹介します。


 松岡さんは昭和42年に土佐中村郵便局に入局、土佐佐賀郵便局を経て、昭和52年に電電公社(現NTT)に入社、宿毛電報電話局から熊本学園(専門部)を経て各地に赴任、高知支店の営業部門勤務を最後に平成18年12月に(勤続39年9ヶ月)退職。
 約40年間の勤務のうち、半分の20年は単身赴任生活だったとのこと。
 最後の3年間は父親が亡くなり、四万十市と高知市を行ったり来たりの生活で、農業(稲作1.5ha)もしながらの勤務は体力的にもしんどくなり、少しゆとりのある生活をとの思いで少し早めの退職をしたようです。
   退職後は、若い時に殆ど地元に居なかったお返しにと区長等地域の役員を買って出て、はや4年目になるとのことです。「調子に乗り過ぎるのは“田舎のプレスリー”(吉幾三のヒット曲)になるかもね…」とジョークを交え地元での活動を語ってくれました。
 「何処の田舎でも悩みは同じだろうが高齢者ばかりで活気がない。人が来てくれて、活気の溢れる九樹地区にしたい!と、地区の入り口に現在指定されている八十八ヶ所の歩き遍路道に休憩所を開設して、自販機・トイレ等を設置し、良心市も開設して、お遍路さんや近隣の人達、野次馬?を呼び込み、賑やかにしたいと考えている。(国交省の協力や高知大学の教授、市役所、JA等と協議中)」と意気込みを語ってくれました。
 また、「住民同士の交流を深めるため、せめて秋祭り・夏祭りの日だけでも活気ある村にしたい」と考え、平成26年には、行政等へ働きかけを行い、市の助成事業を活用して、お神輿(約250万円)を購入する事ができた。
 その年は近年にない賑やかな秋祭りとなり、地区の人達に大いに喜んでもらえて嬉しかったそうです。
 ※なお、このことは「四万十市秋祭りで地域を元気に(存続・復活へ住民奮闘“半世紀ぶりのお神輿ワッショイ”」との記事で10月29日付の高知新聞に写真入りで掲載されました。
 趣味はゴルフとの事で、時間があれば『打ちっぱなし』で練習をしているようですが、「最近、平日に来る60歳代と思える人が増えたのは、おそらく団塊生れの人達が退職され、家に居ずらい?方達だろう…と感じているそうです。
 「多少なりとも体を動かすことは良いことだし、何よりも知らなかった者同士が友達になり笑いあい、教えあい、競い合うことは、今の自分の人生に広がりができたように思える」とゴルフで生れた人との出会いを大事にしているようです。
 「村(地区)にもコミュニティを大切にする場を作ることが大事だと思う、月に何回か営業する無料喫茶店を開設したり…、歳をとってもいきいきと住める所、誰もがここに生れて良かったと少しでも思えるような田舎にしていきたい。」と人と人との繋がり・思いやりの大切さを語ってくれました。
 最後に「来年は煩雑な仕事は後輩に任せて、気楽な人生を送れるようにも頑張りたい」とのことでした。

(取材を終えて)
 四万十市の喫茶店でコーヒーを飲みながら
 懐かしい昔話にひととき盛り上がりました。田舎の大事さ、ふる里を思う温かい気持ちを持ち続けたいと思いました。
トピックス 203号掲載